確実な投資として期待されている太陽光発電。個人はもとより、売電利益を目的に企業の事業参入も増えています。とはいえ、電力会社が売電を制限するなど、必ずしも魅力的な投資とはいえなくなっています。今後は原子力発電所の再稼働にともなう電力供給の増加も予想され、導入を検討されている方は慎重な判断が必要かと思われます。そこで、太陽光発電に関わるポイントを、弁護士の視点からQ&Aにまとめてみました。

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■太陽光発電Q&A

太陽光発電のトラブルケースはどのようなケースがありますか?

遊休地での太陽光発電施設建設においては、業者の説明と異なって売電開始ができない、開始が遅れる、説明された売電価格と違っている、
売電量が想定を大幅に下回る、発電施設がなかなかできない、割高な売電価格が保証された土地と施設という権利の実態が説明内容に反していた、メンテナンスが杜撰で売電ができなくなったなどが挙げられます。
家庭用太陽光発電では、業者の説明と異なり売電収入が少なく、設置に要したローンの負担だけが重くのしかかるなどの例が挙げられます。

投資目的の土地付き太陽光発電施設の購入を検討しています。大丈夫でしょうか?

取扱業務からの経験上いくつかの考慮要素があります。主なものとしては以下です。

・電力会社への手続き、敷地利用権の確立がされているか手続き関係や権利関係の確認
・土地の購入代金・利用料・地代、設備・工事費用、税金、メンテナンス費用、損害保険料、
 電力会社の連系負担金など経費を含め、将来的に売電利益で回収可能かの試算
・政府の方針で電気の買取金額は毎年見直しがあり、年々買取金額が下がる傾向にあり、
 20年間の「固定買取制度」の適用を前提にしても、投資額の早期の回収が見込めるかの検討

太陽光発電の訪問販売業者。信用して大丈夫ですか?

一概に業者が全て悪質と判断することは出来ませんが、投資系の太陽光発電の業者の中には、売電までの手続きが十分進んでいなかったり、
権利関係が不明瞭なまま高額な工事費や権利売買の代金名目で高額な支払をさせるところがあります。
トラブル発生後の返金請求や損害賠償請求よりも契約前にそのようなリスクがないかを慎重に調査したほうがよいでしょう。

実際の発電量が発電シミュレーションと大きく異なる場合は詐欺にあたるのでしょうか?

太陽光発電の発電量については、立地、天候、設備の性能、設置環境等などで異なります。設置位置や方角などの施工ミスによる発電不足。
明らかに発電量が低下する原因(隣接地に太陽光を遮るものがあるなど)を考慮しなかったなど、施工(販売)会社の過失の場合は損害賠償請求が可能なケースもあります。これらは契約時の説明義務違反にあたる場合があります。業者の契約前の説明の内容は、売電シュミレーションなどの業者作成の説明資料や録音から立証しますので、そのような資料が残っているとよいです。そのような場合は、業者に対して損害賠償請求できる場合がありますのでご相談下さい。

太陽光発電工事。契約後も工事をしてもらえない。お金は戻ってきますか?

契約後工事を行わないケースなどは、契約内容の不履行ですので支払ったお金の返還請求が可能です。
但し、このケースの多くは、詐欺目的であったり、会社の倒産など、当事者本人と連絡が取れない場合もあります。
もちろん法的手続きも必要となり、詐欺事案であれば刑事告訴も検討します。

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